【第1日】
- I. 基調講演
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「草の根的対話の提唱」
講師/前駒澤大学総長 奈良 康明 師
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II. 分科会(第1分科会)
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テーマ/「アジアの平和と仏教徒の役割」~日本仏教青年の可能性を求めて~
- 提言者/坂本観泰(全日仏青直前理事長、WFBY副会長)
- 座長/上田紀行氏(東京工業大学大学院准教授)
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パネリスト/
ギャナ・ラタナ・テーラ師(愛知学院大学非常勤講師)
本多静芳師(アーユス国際協力ネットワーク理事)
クンチョック・シタル師(チベット仏教普及協会ポタラカレッジ副会長)
第1分科会は、全日本仏教青年会が担当し、「アジアの平和と仏教徒の役割」~日本仏教青年の可能性を求めて~をテーマに行われた。
この分科会の参加者は160名を超え、多くの注目を集めた。
分科会は、座長の上田氏による「十年一日のごとき語るだけの平和ではない意見交換」という導入から、「現在のアジアの政治・社会情勢を見たとき、平和について日本の仏教者として何をなすべきなのかをあえて取り上げた」旨、坂本直前理事長が提言を行った。
それを受けて、チベット仏教の立場からシタル師が、「日本の仏教者は仏教の研究をしていながら、その仏教教理を使って衆生へ積極的に話しかけをしていない。自信がないように見える」と指摘、次に上座仏教の立場からテ師は、「ブッダの縁起観・世界観に注目し、問題の原因を知ってその性質と解決策を対話により導き出すことが仏教徒にはできるはず、対話しなければ」とブッダの教えの積極的な活用を説いた。大衆仏教の立場から本多師は、ご自身が関わるNPO活動について語り、「社会の諸問題について仏教者の発言や行動が必要」と述べた。
これらの発言を受け上田氏は、「平和とはこれまでのように、ただ単に語るだけではなく、仏教者として関わらざるを得ないものだと自覚して、直接的な自分の行動が、すぐに結果として表れなくても、相手の悲しみを共に悲しむ。相手のつらい事を共につらい事だと涙を流していくところに、問題を解決する方策を見いだす」とし、ご自身がダライ・ラマ法王猊科から聞かれた「慈悲から生ずる怒りとそれによる菩薩道の実践」の必要性を紹介して、日本の仏教徒への期待と可能性をのべてまとめとした。
【第2日】
- I.
- 世界平和祈願法要
- II.
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特別記念講演 「信ずる心と平和」 講師/ダライ・ダマ14世法王猊下
翌20日、会場を国立大ホールに移動し、本間孝康大会実行委員長の開会の辞が述べられ、続いて横山敏明大会会長を導師に法要が行われた。
法要の後、大道晃仙本会会長による挨拶が行われた。会長はダライ・ラマ法王の講演に期待感を示し、「一人でも多くの仏教徒が世界の平和と共生について深く考える機会となり、具体的実践が展開されると確信する」と述べた。
大会宣言の後に、ダライ・ラマ法王14世の特別記念講演。
講演終了後、次回大会開催地となる、栃木県仏教会に大会旗が手渡され閉会となった。